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10月コラム 同訓異字の謎と書き分けるコツ

日本語には「同じ訓読みだけど漢字が違う言葉」、同訓異字が数多く存在します。例えば「なく(泣く・鳴く等)」「あつい(暑い・熱い・厚い等)」「かたい(硬い・固い・堅い等)」など、枚挙に遑(いとま)がありません。その使い分けも難しく、悩ましいものです。

そもそも、どうして同訓異字が生じるのでしょう。江戸時代の書物によると、やまと言葉を漢字で書き表すことに原因があるようです。たとえば「なく」。昔の日本では、鳥が鳴こうが人が泣こうが、どんな時にも「ナク」という音で表していました。しかし、漢字が日本に伝わると、中国では鳥獣がなく時は「鳴」、声を出さずに涙を流すのを「泣」と区別していたことがわかったのです(『操觚字訣』などによる)。

漢字は一文字一文字に意味がある、表意文字です。漢字文化圏の人々は、似た意味でも繊細に漢字を使い分けていたのです。パソコンの普及で、漢字を書く機会はめっきり減ってしまいましたが、誤変換を防ぐ上でも、漢字の学習は続けていきたいところですね。
 
ちなみに、同じ「音読み」で漢字が違う言葉、「同音異字」は、日本語の音の数が少ないことが原因の一つです。英語では2000以上も音があると言われています。それに対し、日本語は、学者によって違いますが、金田一春彦は「112」、井上ひさしは「104+α」と、かなり少ないのです。そうすると、違う意味の言葉を同じ音で言わざるを得なくなるのです。
 
最後に、同訓異字の形容詞を書き分けるコツを紹介しましょう。それは、

 対義語から考える

 です。例えば「あつい」を考える時、対義語が
「寒い」→「暑い」
「冷たい」→「熱い」
「薄い」→「厚い」
となります。このコツを知っておけば、「熱い氷」を錬成しなくなりますよ!

また、文化庁が「『異字同訓』の漢字の使い分け例」を掲載しています。とっても参考になる資料なので、ぜひ検索してみてくださいね。

 

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