どうも。りゅうです。
今年もこの季節がやってまいりました。そう勝負の月。受験です。
受験生は今まで本当によく頑張ってきました。毎晩、眠い目をこすりながら、集中力が途切れそうになる自分を振るい起こしながら、1問でも多く問題に取り組んできましたね。時には全て投げ出して、やめてしまいたくなる時もあったかもしれません。壁の高さに目標を変えたくなったことも、何度もあったでしょう。それでもよくここまで頑張ってきました。あとは全ての力を受験会場においてくるだけですね。
ここまで頑張った君たちに本当に申し訳ないのだけれど、
僕は君たちに1つだけ嘘をつきました。
「合格」すれば全てが変わる、と。
「合格」すれば新しい華やかな生活が待っていて、
君の世界が一気に広がって、友達の幅も今まで以上に広がり、
さらに、勉強を頑張った君たちはかっこいいから必ずモテて、
新しい環境で彼氏・彼女ができたりする、と。
その嘘は、僕たちお互いの原動力となりました。
その嘘のおかげで君たちは昼夜を問わず「合格」のために何をするべきか真剣に考え、自分と向き合い、苦手分野を発見し、克服する努力をしてきました。
「自分ができないことをできるようにする。」
言葉にすると簡単なこの作業がどれほど難しいか、この時間を過ごした君たちは痛感していると思います。まず、己と向き合うことで自らの不出来を見つめ、できない自分を認め、そしてその克服のために問題に向き合い、 敗北し、何度もあきらめずに立ち向かってきた。そういう過去の自分の屍の上に、今の君たちが存在し、各々の最後の戦いまで一切の手を抜かずに勝負の時を待っている。
様々な思惑や目標をそれぞれ胸に抱え、黙々と机に向かう君たちから大きな感動をもらいました。君たちを本当に誇りに思います。
僕の姑息な嘘は僕に想像以上の感動を与えてくれました。
「合格」を目標にここまでやってきた君たちに、最後に真実を語ります。
「合格」は数ある新しい扉の一つに過ぎません。
決して夢への扉でもなんでもありません。
華やかな生活は保障されていませんし、友達や幸せは向こうから歩いてきません。ましてや魅力的な異性なんて、努力を続け自らに磨きをかけ続けなければ現れません。さらに…、勉強できてもモテません。だって、新しい環境には君たちと同じように努力をしてきた仲間が集まるんですから、学力に大した差が生まれるはずないんですよ。
新しい生活がどうなるかは、全て今後の君たち次第です。
では、今までやったことは意味がなかったのか。
もうすでにお気づきかもしれませんが、今まで「合格」のために積み重ねてきた「過程」こそが、受験を通じて得ることができた、誰にも奪われることのない無形の財産です。君たちは「努力により未来を変えることができる」ことを知りました。そして、その努力の仕方を知っています。今後、様々な壁が君たちを待っているかもしれませんが、君たちはその乗り越え方を知っています。
「合格」も「新しい生活」も君たちのすぐそばまで近づいてきています。
そして、それを望む形に彩る力はもう君たちに備わっています。
さぁ、最後のもうひと頑張りだ。桜は君たちを待っている。